クリニック・病院

医療・介護事業は、人々の健康維持はもとより、時には、人の生死にも密接に関わることになる、重要な事業です。米子にゆかりのある経済学者である宇沢弘文先生は、この分野を社会的共通資本（人間が人間として生きていくために 大切な社会共通の財産）として大事に守り、育てていくべきである、としています。私たち「米子東町法律事務所」は、医療・介護事業者様が、円滑に事業を営み、社会において、大切なサービスを提供される上での、サポートをさせていただきたいと考えております。

まず、医療・介護事業においては、そのサービスの重要さゆえに、問われる責任も極めて重く、様々な固有の法的規制があります。こうした個々の法的規制をふまえた上で、トラブルとなった際の解決策を共に考え、サポートさせていただくことができます。

また、スタッフや患者様との間での様々な法的トラブルについても、対応致します。

スタッフとのトラブルとしてよくあるご相談は、労務管理に関するご相談です。医療・介護事業におけるスタッフは、そのほとんどが有資格者であり、多様な資格別の職種が混在して働くことになります。また、様々な患者様のニーズに対応するためにシフト制を組んで対応することから、労働時間も一律にすることが困難な場合があります。こうした複雑な労働実態をふまえ、賃金体系を整えて労務管理をしていくことは、大変な困難を伴います。法人の定めたルールが不明確で、スタッフの納得が得られなければ、容易に紛争へ発展します。

また、サービス型の業務であるため、患者様や利用者様とスタッフとの接触機会が多く、その際のスタッフの言動や対応をめぐって、患者様や利用者様とのトラブルに発展することも多くなります。トラブルを頻繁に起こすスタッフに対する処遇をどう考えるか、といった問題も生じやすいといえます。　

更には、チーム医療は、医師を頂点とするピラミッド構造であるため、医師や上の立場にあるスタッフから他のチームスタッフに対するパワーハラスメント（いわゆるパワハラ）の問題が生じることも多くあります。

こうしたスタッフとのトラブルを回避するために労務管理の見直しをしたり、実際にトラブルとなったスタッフの処遇を検討したりする際には、当事務所へご相談いただければ、法的に適切なアドバイスを提供致します。

患者様との間でのトラブルとしてよくあるものは、診療報酬や、施設やサービスの利用料についての未払いです。時には、患者様のみならず、そのご家族や保証人との間で交渉し、地道に回収する必要がります。こうした煩わしい未払い金の回収については、弁護士にお任せください。状況に応じた最適な方法を模索します。患者様や利用者様のご家族が、患者様や利用者様の資産を抱え込んでいたり、横領していたりすることも希にあり、その場合は、成年後見制度の利用や、財産管理を弁護士へ委任する等の方策によって対応したり、行政と共同してご家族へ働きかけることも行っています。

また、医療ミスをめぐるトラブルや、ささいなことでクレームされ、それが増長していく、いわゆるモンスターペイシェントとのトラブルもあります。

医療ミスがあった場合、多くの病院の経営者様は、誠意ある対応を行い、適切な償いをしたいと考えておられます。一方で、加入されている賠償保険の保険会社は、患者様への賠償額をできるだけ下げようと考えます。そこで、いかなる額が適切な賠償額であるかの見極めが重要となってきます。法的には、人身損害の計算には一定のルールがありますので、弁護士にご相談いただきたいと考えます。

また、そもそも医療ミスであったのか否かが争いとなる場合には、当時の臨床医学の実践における医療水準が問題となり、この水準に適した知見を持って、説明義務を果たしたのか、結果回避義務を果たしたのか、といった点が問題となります。また、開業医においては、高度な医療を提供できる大学病院等の施設へ、転送・転院勧告をする義務もあり、この点も問題になりえます。ご相談いただいた場合は、こうした義務違反があったか否かについて精査した上で、適切な対応を検討し、患者様やそのご家族との交渉を行います。

モンスターペイシェント問題に対しては、その態様について記録を残しておくことが重要です。こちらとしては、毅然とした態度で意見表明や警告を繰り返し、それでもクレーム行為が続く場合は、法的措置として差止を求めたり、施設からの退去を求めることになります。弁護士は、こうした一連の対応について、サポートさせていただきます。

医療・介護事業におけるトラブルは多種多様で複雑です。「米子東町法律事務所」では、医療・介護事業者様が、安心して社会へのサービスを提供していただけるよう、しっかりサポートさせていただきます。